お葬式トリビア1 ~現在の習慣と歴史背景~
カテゴリー:お葬式の豆知識,深堀りシリーズ
現在のお葬式の習慣やマナーには昔の風習や文化が多く残っていて、その背後には色々な歴史や文化が隠されています。
今回は、お葬式にまつわるちょっとした雑学を集めて、少し掘り下げてみました。
ぜひ、歴史の背景を一緒に覗いていただきたいと思います。
この記事のポイント
・喪服は白だった
・香典袋の薄墨
・白木位牌は仮のもの
・お焼香の作法
・棺に入れる副葬品
■現在の習慣
葬儀の際には黒い喪服を着るのが一般的です。
■歴史的背景
平安時代や鎌倉時代は白い喪服が主流でした。
黒が喪服として定着したのは明治時代以降、西洋文化の影響を受けてからです。それまでの「白」は、清浄や神聖を意味していましたが、「黒」が悲しみや哀悼の意を強く表現するものとして定着されるようになったといわれています。
■現在の習慣
香典袋の名前を書く際には薄墨を使うのがマナーとされています。
■歴史的背景
昔は墨と筆を使っていたため、その名残が現在の薄墨の習慣に引き継がれています。
これは「悲しみで涙がこぼれ、墨が薄くなった」また、「突然のことで墨を磨っている時間がなかった」という抽象的な意味を持ち、故人を悼む気持ちを表現しています。
■現在の習慣
葬儀では白木の位牌が使われますが、四十九日が過ぎると本位牌に移し替えます。
(※宗教・宗派や地域により異なります)
■歴史的背景
白木の位牌が「仮のもの」とされるのは、魂がまだこの世に留まっていることを表します。
四十九日法要に魂が成仏したとされ、本位牌に移し替えられます。これは死者の魂が成仏するまでの過程を象徴しています。
■現在の習慣
香を手に取り、額に持っていく動作をします。
(※宗教・宗派、地域により異なります)
■歴史的背景
この動作は、仏教の修行僧が行っていた瞑想の一部に由来しているという説があります。香の香りで心を清め、集中力を高めるための儀式だったといわれています。
現在でも香を仏前に供えることで心を清める意味があるとされています。
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■現在の習慣
故人様がお好きだったものや思い出のものを、お花と一緒にお棺に添えます。
■歴史的背景
この習慣は古墳時代に遡り、当時は故人があの世で必要とすると思われる物品を一緒に埋葬していたといわれています。
現在でも、故人が大切にしていたものや、あの世で困らないようにと願を込めて副葬品を棺に入れる習慣が続いています。
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■ちょっと余談です。
遺影は故人の写真を使って作られていますが、実はこの習慣は比較的新しいものです。
遺影が一般的になったのは昭和時代以降で、それまでは故人の肖像画や記憶に基づいて作られた絵が使われていたそうです。
現在のお葬式でも遺影は必ず写真でなくても構いません。肖像画やご本人が書いた自画像なども遺影として素敵です。ぜひ、自由な発想で特別な1枚を選んでください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事でご紹介した内容は、歴史の背景や諸説に基づいていますが、お葬式の習慣は宗教・宗派、地域や時代により異なる解釈や伝統が存在することをご了承ください。「こんな説もある」という程度にご覧いただければ幸いです。
今後もお葬式に関するちょっとした雑学や役立つ情報など、色々なテーマで更新していきたいと思います。ぜひ、またしおんブログにお立ち寄りください!
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