最期のお花 “シンパシーフラワー”
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お葬式の最後にお棺の蓋を開けて、皆様から故人様へ、
お花を手向けていただく儀式があります。
お葬式をご経験されたことがある方は皆様ご存知の通り、ご出棺の際に行うことが多く、
今では、あらゆる宗教のお葬式で行う最期の儀式の一つとなっています。
この、最期に手向けるお花、
この辺りでは「別れ花」などということが多いですが、
英語では、これを「sympathy flower」(シンパシーフラワー)といい、
〝共に感じる〟という意味をもつそうです。
故人様と、お見送りする皆様の想いをひとつにして、
祈りを込めて捧げるお花・・ こんな感じの意味でしょうか。
宗教に関わらず、広く行われている理由が分かる気がします 🙂
亡くなった方を想い、最期にお花を手向ける、
そんな風習は古くからあったといわれています。
今から1300年前の日本書紀には、死者のために花を捧げたお話がのこされています。
また、さらにずーっと昔、
なんと5~6万年も前、旧石器時代のネアンデルタール人の化石とともに、
数種類の花粉が大量に発見されたそうです 😯
これを発見した学者は、
「ネアンデルタール人に死者を悼む心があり、花を添えて埋葬する習慣があった」
という説を唱えています。
はるか遠い昔の数万年前もの時代の人々の暮らしは、
どんなものだったのか、今の私たちには想像がつかないですが、
死者を悼み、共に添えられるお花は、
きっと、特別な意味をもつお花だったのでしょう。
お葬式のかたちは時代と共に変化しつつありますが、
人を想う気持ち、「sympathy flower」は、
この先何万年も、ずっと受け継がれていくものなのかもしれません。
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