末期の水と焼酎
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お葬式には宗教、宗派、地域によって様々な風習がありますが、
その中の一つに亡くなった人の口もとを水で潤す「末期(まつご)の水」という作法があります。
脱脂綿やガーゼに水を含ませ、亡くなった人の唇に付けて潤します。
(新しい筆や菊の葉を使うこともあります。)
かつては臨終の間際に行われていたそうです。
お釈迦様に浄水を捧げ安らかに入滅することができたとされていることから、
「死者が渇きに苦しまないように」「安らかにあの世に逝けるように」と、
願いを込めて行われるようになったと言われています。
また「死者が蘇ること」を願っていたという説もあります。
色々な説や、意味を持つ「末期の水」という作法ですが、
「故人が最期に口にするもの」
先日お手伝いさせていただいたご家族は、
こんなお飲み物をご用意されました。
(お客様に許可を頂いて掲載しております)
故人様が大好きで毎日の様に飲んでいた焼酎だそうです。
「うちは水じゃなくて、きっと焼酎が喜ぶわ。」
そんなご家族のお気持ちと一緒に、いつもの焼酎を美味しく飲んで下さったことでしょう。
「末期の焼酎」「ビール」「お茶」「コーヒー」・・・
渇きを潤す「水」
それは、人それぞれですね。
今も受け継がれているお葬式の儀式や作法は、形を少しずつ変えながらも、
「亡くなった人のために何かをしてあげたい」という、
ご遺族の心情が積み重なり、作られていったものなのかもしれません。