ご飯に箸を立てる? 一膳飯と団子の意味
カテゴリー:お葬式の豆知識,深堀りシリーズ
お葬式では、故人を偲び供養するためにさまざまなお供え物が用意されます。
中でも「ご飯」と「お団子」は古くから伝わる大切な供物の一つです。

今回の豆知識,深堀シリーズは、故人様にお供えする「ご飯とお団子」の由来や意味などをご紹介したいと思います。
この記事のポイント
・一膳飯とは?
・ご飯にお箸を立てる意味
・お団子のお供えの意味
・お団子の個数
・地域や宗派による違いについて

故人にお供えするご飯は「一膳飯(いちぜんめし)」と呼ばれています。
「一膳飯」とは、その名の通り一膳だけお供えするご飯のことで、中央にお箸をまっすぐ立てるのが特徴です。
古くから日本では、ご飯は生命の象徴として大切にされてきました。その一膳を供えることには、亡くなった方に最小限の食事を届けるという意味や、空腹で困らないようにとの思いが込められています。また、旅立ちに際しての最後の食事とする考え方もあるようです。
このようにしてお供えされたご飯は、祭壇や枕元に置かれ、ご遺族の感謝や供養の気持ちを表す大切なものとなっています。


子どもの頃に「ご飯に箸を立てるのはお行儀が悪い」と教わった方も多いのではないでしょうか?
しかし「ご飯のお供え」は、この行為が正式な作法の一つなんです。 😯
ご飯に箸を立てるのは、亡くなった方への供養の意味が込められています。
よく言われる説は次の2つです。
①あの世への道標
故人が迷うことなく、まっすぐ辿り着けるように道標の意味
②逆さ事
現世とは逆の作法を行うことで、故人を送り出すという意味
最近では、故人様が生前に使われていたお箸を立てるご家族も増えており、より深い想いを込めてお供えされることが多くなっています。

お団子は丸く小さな形をしており「丸いものは神聖である」「繋がりや和を象徴する」と考えられてきました。
お供えする意味には諸説ありますが、故人の安らかな旅立ちを願い「あの世への道中で空腹にならないように」という思いが込められているともいわれています。これは、故人が安心して旅を続けられるよう願う大切な供養の一つとされています。
また、お団子の丸い形は家族や地域のつながりや和を象徴し、家族の円満や平和を祈る意味もあるといわれています。


お供えするお団子の個数については、地域や家庭によってさまざまな説がありますが、基本的には「6個」という数が多いようです。
その理由は、仏教の「六道」や「六地蔵」に由来してるという説があります。

仏教では、生きとし生けるものは「六道(ろくどう)」と呼ばれる6つの世界を生まれ変わりながら巡ると考えられています。
六道とは「地獄道」「餓鬼道」「畜生道」「修羅道」「人間道」「天道」のことで、それぞれに苦しみや迷いがあるとされています。
お団子を6個お供えするのは、この六道に因んだ風習で、六つの世界にいるすべての霊を慰める供養の意味が込められているといわれています。

六地蔵とは、六道で迷う人々を地蔵菩薩が救ってくれるという考えに基づくものです。
お団子を6個お供えするのは、この六地蔵に因んだ風習とされ、六道にいるすべての魂を慰めるという意味があるともいわれています。

お供えの方法や使われる品物は、地域や宗派によって異なる場合が多くあります。例えば、一膳飯やお団子の形や数、箸の置き方など、細かな作法が変わることもございます。そのため、慣習やご家庭のしきたりによっても違いが出てきます。
こうした違いについては一概にこれが正しいという決まりはなく、地域や宗派、さらにはお付き合いのあるお寺やご家族の考え方によって様々です。
お供えの飾り方や作り方などは、お付き合いのあるお寺や宗教者の方、または葬儀社にご相談ください。

~ 最後に ~
お供え物に込められた想い
一膳飯やお団子、お箸の立て方には、単なる形式以上の深い意味があり、故人への感謝と祈り、そして供養の心を伝えるための大切な習慣の一つです。
また、最近ではご飯やお団子だけでなく、故人が生前に好んでいたお菓子や飲み物などをお供えされる方も多くいらっしゃいます。
お供え物を通して、故人やご先祖を偲ぶあたたかな時間を大切にしていただければと思います。
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