戒名って絶対いるの?
カテゴリー:お葬式の豆知識,よくある質問
お寺や宗教に関する話は、本来、その教えやご意見に基づいて語られるべきもので、私たち葬儀スタッフがお伝えできるものではないかもしれません。
ただ、お客様から「戒名って必ず必要なんでしょうか?」「つけないといけないんですか?」といったご相談をいただくことが増えており、少しでもそのご不安を軽くできたらと思い、この記事を書いています。
まず最初にお伝えしたいのは、もしご家族に菩提寺(お付き合いのあるお寺)がいらっしゃる場合は、そちらにご相談されるのが一番安心で確かな道筋です。戒名についての考え方や形式は、宗派やお寺ごとに異なるため、直接お聞きになることで、もっとも納得のいくご供養につながると思います。
ここから先の内容は、そうしたお付き合いのあるお寺がいらっしゃらない方や、何をどう相談すればよいか分からず悩まれている方に向けたものとして、参考にしていただけたらと思います。
この記事のポイント
・戒名って何?
・戒名を授ける意味とは?
・実際に迷われる方の声
・もし迷っているなら
「戒名(かいみょう)」とは、仏教の教えに基づいて、亡くなった方に授けられる“もうひとつの名前”のことです。これは、あの世で仏の弟子として新たな道を歩んでいくための、大切な名前とされています。
私たちが普段使っている名前は「俗名(ぞくみょう)」といって、生きている間の名前です。それに対して戒名は、亡くなったあとの、仏様の世界の名前になります。
戒名には、亡くなられた方の生き方や人柄、ご家族の思いが反映されることが多く、その人らしさが表されるようにお寺の方が考えてくださいます。ひらがなは使われず漢字だけが書かれていて、それぞれの漢字には深い意味が込められています。
戒名を授けることには、いくつかの大切な意味があります。
まず一つは、亡くなった方が仏弟子として新たな道を歩んでいくことを示すためです。この世での人生を終え、仏さまのもとへと旅立たれる方に、その新しい歩みを表す“仏の名”を授けるのです。
そして「葬儀」は、戒名を授ける大切な儀式でもあります。
ご導師の読経や作法の中で戒名が授けられ、仏の弟子としてお迎えすることで、亡くなった方の新たな旅立ちを仏教の教えのもとに見送るのです。
戒名を授けることは、ご家族にとっても、亡くなった方とのつながりを大切にし、心をこめてお見送りするための、ひとつの大事な節目となります。
※戒名の授け方やその意味合いは、宗教や宗派によって異なる場合があるため、一概にすべての方に当てはまるものではありません。あくまで一つの一般的な理解としてご参考いただければと思います。
私たちがご葬儀をお手伝いさせていただいている際、戒名について、次のようなお声をいただくことがあります。
・「つけてあげたいけど、費用面が気になる」
・「本人はあまり信仰心がなかったけど、どうしたらいいのか」
・「親の代ではつけたけど、今回はどうしようか悩んでいる」
・「宗教・宗派が分からないけど、つけるべきか」
戒名をつける・つけないには、それぞれに背景や想いがあります。そして、どちらを選ばれたとしても、ご家族が故人を思い、真剣に考えた結果であれば、それが何よりも大切だと思います。
ここで、多くの方をお手伝いしてきたスタッフとしての意見を言わせていただくと、
迷った結果、実際に戒名をいただいたご家族からは、
「戒名をいただいてよかった。とてもいい戒名だと思った」
「やっぱり戒名がなかったらかわいそうだった」
というお声をよくいただきます。
お金や形式の問題だけでなく、気持ちの面で「しっかり見送れた」という安心感や納得感につながることがよくあります。
やり直しのきかないお葬式だからこそ、迷われているなら戒名をつけておくという選択も、あとから振り返った時に気持ちが落ち着くことが多いように思います。
あくまでご参考までにお伝えしますが、迷われている方の一つの目安としていただければ幸いです。
お葬式は宗教儀礼でもありますので、その宗教や宗派に添ったやり方を尊重しながら進めることが大切です。しかし、無理に何かを押し付けるものではなく、ご家族やご自身の心が落ち着く方法を見つけていくことが一番の願いだと思います。
~ 正解のない選択 ~
今は多様な価値観がある時代です。戒名をつけない選択も、もちろん間違いではありません。だからこそ「どうしたいか」「どんな送り方をしたいか」を大切に考えることに意味があるのではないでしょうか。
このブログが、悩まれている方のご参考になれば幸いです。ご家族にとって、納得のいく送り方を見つける一助となればと願っております。
~ ご相談はいつでもどうぞ ~
お付き合いのあるお寺がない方や、戒名についてどうしたらいいか悩まれている方もいらっしゃるかと思います。実際のご費用や流れなど、気になることがありましたら、どうぞお気軽にお電話でご相談ください。
お話をお伺いし、ご事情に合わせてご案内させていただきます。 🙂