遠方からのお問合せ
カテゴリー:業務中のスタッフブログ
お葬式を執り行うことは、何度も経験することではありません。
ご家族の環境により、様々なご不安があるかと思います。
弊社でも日々、様々な内容のご相談を承っております。
今日は、その中の一例をご紹介させていただきたいと思います。
(長文になります)
相談者の方は青森県にお住いの田中様(仮名)です。
数か月前、青森県の田中様のご自宅に、神奈川県の役所から一通の手紙が届いたそうです。
その手紙の内容は、田中様の「ご親戚」が、
〝神奈川県で生活保護を受けて生活している〟
〝現在、神奈川県内の病院に入院している〟
そして、その容態が〝危篤〟ということを、知らせるものでした。
この手紙の「ご親戚」とは、田中様の「亡くなったお母さまのお姉さま」でした。
田中様からみて「叔母」にあたる方ですが、幼い頃に会ったきりで、
何十年も、ずっと音信不通だったそうです。
田中様のお母さまが十年程前に亡くなられた際も、
連絡をとることが出来なかったといいます。
叔母さまは未婚で身寄りが無く、唯一の親族が田中様だったことから、
役所は「もしもの時」のため手紙を出したのです。
【こちらが田中様のご親族の関係を図にしたものです】
田中様は、突然の知らせに驚き今後の対応について事前に調べておかなければと、考えました。
そして、弊社にお電話を下さったのです。
【こちらが田中様の主なご相談内容です】
何度かご相談を重ね、どんな状況でも必ず最後までお手伝いさせていただこうと、
弊社の担当者も様々な「方法」を考えておりました。
そんな中、田中様からご連絡をいただきました。
「叔母がたった今、亡くなりました」
青森県と神奈川県という距離から「すぐに病院に行くことが難しい」と、
悩んでいた田中様ですが、数日前から病院の近くのホテルに滞在し、
毎日、叔母さまのもとへ通っておられたそうです。
弊社はすぐに病院にお迎えに上がり、ご火葬のお手伝いをさせていただきました。
そして、
叔母さまのお遺骨は、田中様と一緒に青森県へお帰りになりました。
今後は、祖父母の眠る合祀墓へ埋葬することに決まったそうです。
ほとんど面識がないのにもかかわらず、
青森県からたった一人でいらして、最期を看取った田中様は、
こうおっしゃっていました。
「唯一の肉親だから」
私たち、葬儀社として出来ることは、ご遺族のご要望に応じて、
よりよい選択肢を用意して安心していただくことで、
ご決断いただくのはご遺族であり、それが一番のお別れの「方法」なのだと、
田中様からのご相談、お手伝いさせていただいたことを通して、
改めて、そう感じました。
やり直すことの出来ない最期のお別れを、
ご遺族の方が後悔されない様、ご満足いただける様、
今後も身を引き締めて、お手伝いさせていただきたいと思います。
「今後、どなたかのためになるなら是非」と、掲載を快諾して下さった田中様に心より御礼申し上げます。