仏教の豆知識 2 ~宗派とは?~
カテゴリー:お葬式の豆知識 深堀りシリーズ
前回の記事で「そもそも仏教とは?」をテーマに、仏教の誕生や教えなどをご紹介させていただきました。
click ▶仏教の豆知識1
今回は、仏教の「宗派」についてお話ししたいと思います。
この記事のポイント
・宗派とは?
・宗派の違い
・仏教の代表的な宗派
仏教の「宗派」とは、ひとことで言うとグループや派閥のことを指します。
すべての宗派は共通の基盤となる核心的な仏教の教えや価値観を共有していますが、
異なる解釈や強調する要素、修行や儀式など、各宗派で独自の教えや伝統が発展しています。
仏教の宗派は、地理的な分布や歴史的な経緯によって形成され、現在ではたくさんの宗派が存在しています。
宗派の違いは、教義や戒律、修行法、瞑想の方法、仏像や儀式の使用など・・
様々な要素に及びます。
その数を正確に定義することは難しく、専門家によっても異なる数が挙げられるほどです。
数百以上の宗派が存在するともいわれていて、宗派による違いは非常に多岐にわたることが分かります。
仏教の宗派は、特定の地域や文化で強く根付いており、それぞれの特徴や魅力を持っています。
仏教は、たくさんの宗派に分かれていますが、
ここでは、まず大きく分けた、代表的な宗派をいくつかご紹介したいと思います。
・上座部仏教 ・大乗仏教 ・チベット仏教 ・禅宗 ・密教
「上座部仏教」は、南アジア(スリランカ・タイ・ミャンマーなど)で広く信仰されています。
この宗派は、原始仏教(★)の教えや戒律を重視し、ブッダ(釈迦)の教えを直接的に研究・実践します。
★原始仏教は、ブッダ自身が説いた初期の仏教の教えや実践を指します。
これは仏教の成立期であり、紀元前6世紀頃のインドで広まりました。
詳しくはこちら ▶仏教の豆知識1 をご覧ください。
「大乗仏教」は、東アジア(中国・日本・韓国など)を中心に広まっています。
この宗派は、衆生(★)の救済を追求し、菩薩道を重視します。
天台宗・真言宗・浄土宗・禅宗などが代表的です。
★衆生とは、仏教用語で生命を持つあらゆる存在を指します。
「チベット仏教」は、主にチベットと周辺地域で信仰されています。
この宗派は、大乗仏教の一派であり、密教の要素を含んでいます。
ダライ・ラマ(★)のような指導者や上師の存在が重要です。
★ダライ・ラマは、チベット仏教の最高指導者の称号です。
“ダライ”が「海の上」という意味で、“ラマ”はチベット仏教の尊称です。
「禅宗」は、主に東アジアで発展しました。
この宗派は、座禅瞑想を通じて悟りを追求することに焦点を当てています。
曹洞宗・臨済宗・黄檗宗などが代表的な禅宗の流派です。
「密教」は、インドのタントラ思想(★)を基にした教えを持ちます。
身体的な行法や呪文、祈祷などの儀式的な要素が重視され、目に見えない世界や神秘的な力の探求が行われます。
日本の天台宗・真言宗、中国の密宗などが代表的な密教の流れです。
★タントラ思想は、性的エネルギーを神聖化し精神的成長と宇宙的結びつきを追求する哲学的・宗教的な伝統です。
古代インドの聖典であるタントラに基づいて発展しました。
仏教の代表的な宗派をご紹介させていただきました。
これらはほんの一部で、実際にはさらに多くの宗派が存在しています。
各宗派は、異なる教義や修行法、伝統的な儀式などを持ち、地域によっても様々な特色を持っています。
~ 筆者より ~
ご覧いただきありがとうございました。
先日、お手伝いさせていただいたご遺族の方から、お葬式の前に「仏教について色々と調べた」というお話しを伺いました。
お葬式では、お坊さんにお経をあげていただくことが多く見られるので、ごく当たり前の光景だったそうですが、
実際に大切なご家族を亡くされてお葬式を執り行うことになった時、
ふと、
お坊さんやお経の意味って何だろう?と、そもそもの“仏教”について、今まで知らなかったことなどを色々と調べてみたそうです。
普段あまり気にしてなかったことも、自身に関わることになったことで、深く知りたくなることってありますよね。
ご遺族からの貴重なお話しは、今回、この記事を書くきっかけとなりました。
皆様のからのご意見は本当に有難く、私たちスタッフの日々の励みとなっています。 🙂
今後も皆様のお役に立てるよう努めてまいりますので、是非またお立ち寄りいただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。