作業服姿の青年が教えてくれたお通夜の意味
カテゴリー:業務中のスタッフブログ
お通夜やお葬式といえば「黒い喪服」が当たり前と思っている方も、きっと多いですよね。
でも実は、お通夜はかつて「訃報を受けて駆けつける場」とされてきたため、必ずしも喪服でなくてもマナー違反になりません。
普段の服装でも問題なく、昔はむしろ喪服で参列するほうが少数派だったともいわれています。 😯
ただ、近年ではお通夜でも喪服を着る方が大多数を占めるようになりました。
その背景には、次のような理由があるのかもしれません。
■ 昔のように当日自宅で行うお通夜が減り、葬儀会場で日をあけて行うケースが増え、喪服を準備しやすくなったこと
■ 親族や近しい方が喪服で揃えるのが一般的になってきたこと
■「念のため喪服を着ておけば安心」「用意できるなら着ていくのが礼儀」という考え方が広まったこと
こうした背景から、現在ではお通夜でも喪服で参列される方がほとんどになってきました。
そのため「喪服でなければ失礼かな」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、お通夜の本来の意味を思い出すと、服装よりも大切なことが見えてきます。
ここで、私たちスタッフの心に残っている出来事を、少しだけご紹介させてください。
以前お手伝いしたご葬儀で、お通夜の閉式間際に仕事を終えたばかりの作業着姿で駆けつけてくださった若い方がいらっしゃいました。
その方は、故人様が仕事の上司であることから、仕事をしっかりと終わらせてから、故人様に会いに来てくださったのです。最初は汚れた作業着のままで式場に入るのを遠慮し、お香典だけ渡そうとしていたのですが、結局はお別れの時間を大切にしたいと、式場に足を運んでくださいました。
仕事を犠牲にすることなく、きちんと務めを果たしてから駆けつけてくれたことに、故人様もきっと喜んでいたと思います。

もう一つ心に残っているエピソードがあります。その方は、故人様の長年のご友人で、当時は海外に滞在されていました。
訃報を受けて何とか都合をつけ日本に向かい、成田空港からタクシーでそのままお通夜の会場に直行してくださいました。式場の施錠時間ギリギリに到着されたのですが、もちろん喪服に着替える時間はありませんでした。
後でお話を伺うと、少しでも早く空港を出るために機内でCAさんにも協力してもらい、できるだけ迅速に降り立つよう努めたとのこと。最後に会いたいという強い気持ちと、故人様への深い敬意が伝わってきます。

お通夜はもともと訃報を受けてすぐに駆けつける場でした。今もなお、形式より気持ちが大切にされる場であってほしいと思います。もちろん、きちんとした服装での参列が望ましい場面もありますが、それよりも大切なのは「お別れをしたい」というお気持ちです。

服装のことで参列を迷ってしまうことのないように――私たちはそう願っています。喪服に着替える時間がないからといって、参列をあきらめる必要はありません。
喪服がないから最後のお別れができない──そのほうが、ずっと悲しいことです。
スタッフ一同、できる限りのサポートをさせていただきますので、どうか最後のお別れをあきらめないでください。どんな状況であっても故人様との大切な時間を心から大切にしていただけるよう、私たちも精一杯お手伝いさせていただきます。
迷われた時は、どうかご自身のお気持ちを大切にしていただけたらと思います。 🙂



